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2018年4月26日 (木)

ECG-279:answer

   80才代女性です。胸部不快発作を病棟で起こしました。

 

◯  V1-3のQS patternは、9カ月前の心電図と著変有りません。

◯  広範囲のST上昇を示します。

          →但し、V1は上昇していない。

          →全誘導でのST上昇でもない。けれど、心外膜炎除外しきれない。

◯  心房細動のままですね。

 

Ecg2793xdayweb

   (ST上昇は)突然の胸痛とのセットですから、ACSは外せません。心外膜炎も否定しきれません。対抗馬に、タコツボ心筋症もあります。

   これを、心電図のみで解決する必要は有りません。ACSだった場合、トロポニン-I、CPKの上昇を確認を待っていては、心筋虚血を拡大させます。

  心エコーを、すぐに行いました。

( 心尖部よりの左室長軸断層図 )

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( 心尖部よりの四腔断層図 )

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 心尖部中心に、心室瘤を形成していますね。心のう液無し。

 急性心外膜炎は、否定されました。でもタコツボ心筋症は、まだ完全否定出来ません。

  なお、X dayの六ヶ月前の心エコーでは、壁運動障害がありまえせんでした。

ACSかタコツボ心筋症を、心電図で論じるのは後にして、冠動脈造影となりました。

Ecg2794cagpciweb

 

 

LAD #7の完全閉塞症例でした。ずいぶんと長いLADです。

PCIを施行しています。経過は良好でした。

これで、心電図が何を語っていたかが、よく分かりました。

*  LADの中間部分(proximalではない)の閉塞なので、V1のST上昇がない。

*  長いLADは心尖部を回り込んでいて、II ,III ,aVFも僅かながらST上昇を呈した。

*  aVLは、回旋枝が栄養しており、ST低下がやや生じたと思われる。

  素直にXday発症時の心電図を読めば、ACSが(一番人気)なのですが、色々と考えさせられた症例でした。

 

  第3病日の心電図は、ACSの素直な経時的変化です。

 

Ecg27954web

今回の教訓

【 胸痛を伴ったST上昇は、STEMIでないと分かるまで、STEMI診断を捨てない 】

【 胸痛の心エコーは、聴診器と同じで必ず施行しましょう。 】



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