2016年9月25日 (日)

ECG-216:answer(2/2)

40才代男性の胸焼け症例の、経時的心電図変化を見てみましょう

III, aVF 誘導の変化は、いかにも虚血性変化です。

II 誘導は、(私は関係ないですよ)的に、正常化しています。

aVLのST低下と陰性T波は、正常化と云う変化を示しました。

  ⇒ミラーイメージですので、元が治れば、戻ります。

I 誘導のちょっとしたST低下は、もう分からなくなりました。

*その気になって眺めると、V2,3のT波は少し尖ってきました。後壁の陰性T波のミラーイメージかもしれません。

*なお、(X+6day)の心電図では、III誘導の変化。aVFのわずかな変化。II 誘導は正常です。この心電図だけだと、虚血はむしろ否定されます。


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 特に、PCI直前の心電図を、別にご覧下さい。

 心電計自動診断は、【正常範囲】となっています。確かに、この心電図だけを、臨床情報なしで見ると、そうなってしまいます。


Ecg2167pciforweb_2

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 経時変化で見ると、確かにACSは強く示唆されますが、これでは緊急のPCIに、間に合いません。酵素学的変化がきちんと揃った段階では、ゴールデンタイムを逸するかもしれません。

 臨床症状以外で頼りになるのは、やっぱり心エコーでの壁運動評価です!

 でもね、後壁の壁運動障害は、けっこう見落とされるんです。多少壁運動が悪くても、動いているように見えるんです、慣れないと。


Ecg216forweb

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 静止画では、わかりにくいので、youtube経由の動画で、確認して下さいね。(後壁が動いているように見えるかもしれませんが、それは横ずれのみで、左室腔を絞り込む動き=systolic thickningが、認められません。健常例と比較してみて下さいね。)



(ECG-216での左室後壁の壁運動障害)


2016年9月24日 (土)

ECG-216:answer(1/2)

   40才代男性の胸焼け症例。午前5時でした。

 最初に、心カテの結果を提示します。こんな風でした。

Ecg216acs_angioforweb

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 右冠動脈 #2に、多量の血栓を認め、吸引除去を行っています。ステント留置は行っておりません。

 来院時は、酵素学的障害が認められない超急性期だった訳です。

 RCA/ACSが、確定との前提で、心電図を見直します。

 心電図でACS(STEMI)とするためのお約束は、

◎ 連続した2つ以上の誘導で、ST上昇を認める。

◎ 対側誘導でのミラーイメージを、呈している。

 の二つです。


Ecg216erforweb_2

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 因みに、肢誘導をCabrera誘導に直すと、連続した肢誘導の間顕性が分かります。

 II, III, aVF 誘導の対側誘導は、aVL, I 誘導 となります。

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 コラム-071での症例は、ST-T変化が顕著で、分かりやすいですね。

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 それに比べると、この症例の搬入時心電図は、慣れないと見落とかもしれません。また、この程度のST-T変化は、健診での心電図でもよく見かけます。

 今回の教訓です。

【 胸痛と関連したST-T変化は、レッドフラッグと考えるべし!】



 ACSの診断方法について、answer(2/2)でもう少し考察してみます。







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