2017年3月19日 (日)

【コラム-078】心電図診断を繰り返す理由(わけ)

研修医Q:こんにちわ。

筆者T:こんにちわ、どうも。

Q:心電図症例が、二百例を超えましたね。

筆者T:150例Upしたところで、書籍化が決まりました。

Q:(聞いてませんけど、、)借り物症例は、有るんですか?

筆者T:(蔵出し)心電図だけです。自験例ですね。

Q:旧い心電図も、あるんですか?

筆者T:Mitral stenosisの症例などは、昭和の時代の心電図ですね。コツコツため込んでいた心電図もありました。

Q:バリエーションは、出尽くしましたか?

筆者T:蔵出しなんで、経験できていない波形もあります。通常の心電図の成書の8割方の症例は、カバー出来たんじゃないでしょうか。

Q:QT延長症候群は、二次性のみ扱っていますね。

筆者T:小児科主体の症例は、経験出来ておりません。症例は、救急関連及び内科管理が、主となっています。

Q:同じような心電図を繰り返すことは、飽きませんか?

筆者T:なかなか、意地悪ですね。ゲームとして(判読を)やっていると、飽きるかもしれません。でも、我々は目の前にいる患者の心電図を見るんです。心電図が、何を語りかけてくれるのか?それを求めると、飽きる暇はないんです。

Q:心電図事前診断と、後から判明した確定診断が、違うことがありましたか?

筆者T:当たり前です。日常茶飯事です。

Q:それって、問題じゃないですか?心電図記録する意味ありますか?

筆者T:心電図は、投網です。バサッと投げた(記録した)心電図診断の中に、正解が入っていればいいんです。空振りでも、そうだったんだ、違ったんだと、堂々と思って下さい。

Q:ちょっと、分かりません(・_・?)。もう少し、ご説明を。

筆者T:非侵襲的に、これだけ心臓の情報を得られる検査はありません。心エコーより格安です。洞調律か?心拍数は?心房が頑張りすぎてないか?心筋虚血/過剰負荷はないか?右心負荷はないか?急性変化は起きてないか?あなたが、この患者の心臓に何かが起きているのでは、と思ったら、心電図が必要なんですよ。

Q:心電図万能主義ですか?

筆者T:逆です。心電図は色んな可能性を教えてくれますが、これのみで確定診断出来ることは、むしろ少ないです。心臓の置かれた状況に、想いを巡らして下さい。但し、不整脈は別です。これは、心電図で診断する領域ですから、まあ当然ですけれど。

Q:一つしか検査できないとしたら、心電図と心エコーと、どちらを選びますか?

筆者T:無茶な質問ですね。相補的関係です。心電図で分からない、でも聴診と心エコーで理解する超高齢者ASも有ります。心電図だけで、もう決定されるACSも有ります。ERでは、問診>聴診>心電図>心エコーで、心疾患の急性対応の必要性は、ほぼカバーされます。と云うか、カバーできるように、訓練して下さい。

Q:最後に、若い研修医に云っておきたい事ありますか?

筆者T:とにかく、沢山心電図を見て下さいね。そのための症例集ブログなんです。読書(心電図)百編、意(診断)自ずから通ず、です。

Q:〔本当かな・・〕ありがとうございました。

◎読書百遍意自ずから見る(ドクショヒャッペンイオノズカラアラワル)

が正しい、との記載もネット上にあります。どっちだ?


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2017年3月15日 (水)

ECG-230:answer

 心雑音のみで、AS(大動脈弁狭窄症)を、強く疑いますね。超高齢者の動脈硬化性ASの場合には、毎年0.1cm2くらいづつ弁口面積が減少するようです。弁口面積が1.0cm2以下でASの症状は始まるので、数年でかなり危ない状況となります。

 と云うことで、今回はホントに危ない心電図です。

 

Ecg230lvhforweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 

 明らかなLVHの心電図に、胸骨右縁に強い収縮期雑音。右鎖骨上でも、diamond型の収縮期雑音を聴取します。ASを、もちろん考えます。(但し、これでHOCMなんて事もあるので、要注意です。)

 なお、心電図でのLVHと、病理学的心肥大とは、イコールではありません。

 ER受診時と、心不全症状の改善した5病日の心電図を比較します。 V4,5,6です。

Ecg230v4forweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 ST-T変化が改善し、HRも減少しています。これは、虚血性心疾患とは考えず、心不全の改善で、心筋ストレスが減ったんでしょうね、と考えましょう。

 ここまで、心電図と聴診で診断を絞り込めば、後は心エコーでHOCMなどの伏兵を除外するのみです。

(カラードプラでのモザイクの血流:AS)

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  ERで、取り敢えずカラードプラでサーチして、異常な高速血流がどこにあるのか、評価して下さい。Ao(Valsarba sinus)に、モザイクエコーを認めます。

(M-modeでのAS)

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 断層像がきちんと作れて、B/M-modeが記録できるならば、上記の測定もして下さい。静止画で、ASがあることを記録できます。(紙カルテの場合)

(CWによる圧格差測定)

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 ビームの投入方向が、決め手です。CWで、美しいenvelopeを描いており、圧格差は信頼性高いです。

 これは、難しい症例ではありません。理路を、十分納得して頂くために、心エコー付きで、解説致しました。




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