2018年1月18日 (木)

ECG-266:answer(2/2)

  LCXによるACSでした。

   NSTEMI-ACSと、表現されます。CAG/PCIを、ご覧頂きました。診断は、確定されています。

(ACS発症2年前-四腔像)

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   明らかな左室壁運動障害は、見当たりません。

(ACS発症2年前-apical 2 chamber)

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   後壁の動きが少し低下しているように見えますが・・著変なさそうです。

(ACS発症時-4 chamber)

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  心尖部から側壁にかけての壁運動障害が、認められます。但し、dyskineticではありません。 

(ACS発症時-apical 2 chamber)

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   心尖部から下後壁まで、重度の壁運動障害を認めます。

(ACS発症時-short axis)

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   左室短軸像で、0-3-6-9時方向での壁運動低下が、明瞭です。心室中隔だけ動いている感じです。

   回旋枝の虚血発作とであるが、よく理解されます。

 

   ここは、心電図ブログです。心電図の観点から、このNSTEMI-ACSを考えてみましょう。

 

Ecg2666web

  2年前の心電図です。

  明らかなST-T変化はありませんね。

  今回の心電図では、V4,5,6でのST低下が、明瞭です。

  ST低下のみならば、只の左室肥大でもあり得ます。いつもの心電図と変化がないならば、non-STEMI とは言い難くなります。

  2年前の心電図と今回のそれの大きな違いは、比較できました。でも、2年前の心電図じゃね・・・と、まだ迷うかもしれません。

Ecg2667stweb

  ST低下の形に、注目して下さい。

 V4 : horizontal pattern

 V5,6 :sagging pattern

  を示します。より高度な心筋虚血を示唆します。

 aVR でのST上昇があり、もしかして、LMT病変では? と青くなりそうです。。

   なお、ST低下のみでは、責任病変の同定は出来ません。心エコーの助けが必要な症例でした。

 ここで、ひとつ注意して下さい。以前もご紹介した原則です。

【 狭心症発作でのST低下は、虚血部位の同定に繋がらない 】

  壁運動の障害部位は、  心エコーでの判断となります。

◎ 新たな胸痛の出現と、その持続。

◎ 以前の心電図になかったST低下の出現。

  •   虚血発作を示唆するST低下(horizontal / sagging pattern)
  •   心エコーでの局所性の壁運動低下。

   明らかなCPK/トロポニン値の上昇後では、door to balloon timeを取り逃がします。

   なお、待期的PCIとすべきか、緊急PCIとすべきか、その判断は患者を診療した医師に託されます。半分は、直感と気合いですね。

http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_kimura_h.pdf

(非 ST 上昇型急性冠症候群の診療に関するガイドライン(2012 年改訂版))オンライン版のみ。

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2018年1月17日 (水)

ECG-266:answer(1/2)

結論から。

ACSです。心不全を起こしており、PCIとなりました。


Ecg2663pciweb



 

 大きな回旋枝(LCX)で、右冠動脈(RCA)は低形成でした。

 心不全を合併しており、PCIを施行しております。その後の経過は、良好でした。

 胸部レントゲンも、うっ血の改善を示しております。

Ecg2664web

 

   STEMIは、ある意味楽なんです。循環器科へ、丸投げOKできます。すぐにPCIの準備を開始です。

   今回は、non-STEMI です。

   non-STEMI の診断・緊急カテ/PCI 判断はの詳細は、以下へどうぞ。

http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_kimura_h.pdf

(非 ST 上昇型急性冠症候群の診療に関するガイドライン(2012 年改訂版))

オンライン版のみです。

 結果を踏まえて、ERの心電図を再読して下さい。

 2年前の心電図も添えます。

Ecg26652web

 

to be continued..



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